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SPECIAL 15

  お宝返却大作戦!!

更新日:2008年3月2日


・ストーリー 
テンポがいい!お宝を返却するというアイデアを見事に昇華。
しかも、そのお宝がシュールなもの(次元いわく「ガラクタ」)なのが気が利いている。
ベネチアでのバトル~監獄脱走~女装で返却~アウトバーン~次元&五右ェ門ピンチと離脱~自動車返却の流れが勢いがあって見事です。
この一連の流れでは、アクションを魅せるだけでなく、ストーリー的にも、ル次五を別行動させるという重要なターンを上手く組み込んでいます。
スコットランド~ローマ~ベネチア~フランス~ドイツ~デンマーク~スペインと舞台となる国が次々と変わるのも、
セカンドシリーズで、毎回舞台となる国が変わっていたことを彷彿とさせてくれました。 

・作画 
セカンドシリーズを現代風にアレンジ。みんな綺麗で、よく動く。
ルパンの顔がモンキー顔で嬉しい。

・アクション 
ベネチアでの五右衛門のアクションシーン、アウトバーン~自動車返却のカーアクション、終盤のガウディの塔と目玉のアクションシーンがダイナミックで爽快です!
ルパン作品のアクション大賞は「お宝返却」だと思います!

・世界観
セカンドシリーズのコミカルさを完全にオマージュした珍しいスペシャル。
ファーストシリーズか、マモーオマージュのシリアス・ハードボイルド・小難しい設定・近未来感たっぷりの薀蓄お宝なスペシャルが多いですね。
これくらい馬鹿馬鹿しいのが「私の愛したルパン」です。

・OP&ED 
ルパンの銃撃からのタイトルインが最高にかっこいい!
銭形も、投げ手錠で水上スキーをやっちゃったり「とっつぁん節」全開で楽しい。
船上でのルパンと次元の会話は、コミカルながらもかっこいい。
OPにはメイン5人全員が出てきて欲しい派なので、そこだけが残念。

・ゲスト 
ゲストがメイン5人を食っていないところが良い。
ルパンのゲストは、「話の都合上、要るから居る」「にぎやかし」くらいでいいのです。
(お宝を盗むにしても、持ち主が居るだろうくらいの感覚。TVシリーズで出てきたでしょ。美術館の館長とか、銀行頭取とかさ)

マークはお茶目で自由な大泥棒。人生を楽しんだんだろうなあ。こんな風に年を取って死にたいです。
アニタママの結婚式の写真で、心から笑顔をみせる若かりしマークに、男心の優しさをみた。

アニタも、ゲストヒロインというよりはゲストキャラくらいの位置づけ。こんなもんでいいです。

・ルパン
クリカンさんなりのルパンになってきていますよね。お調子者ルパンが再現されてて良かった。
もう少し、はぐれてしまった次元と五右衛門の心配をしてあげて…。

そして、本作で一番印象深かったルパンの会話。
サグラダ・ファミリアに対してのルパンの感想は、現状の『ルパン』スタッフとクリカンさんにオーバーラップしてしまいます。
ルパン「ガウディにおもねっていなくて、それでいて、ガウディよりもガウディらしいっていうかさ」
アニタ「どうしてあんなすごい作品が造れたんだろうって。天才・ガウディの後を引き継ぐなんて、すごいプレッシャーなのに」
ルパン「ああいう「攻めのつくり」っていうの?俺ぁ、ああいうの好きだねえ。盗っちゃおうかなあ~」

・次元 
冒頭の追跡シーンや、ガウディで五右ェ門のピンチを救ったり、見せ場も多い。
狙撃されたゴエを助けようと、車を飛び降りるところは熱くていい。拷問を受けながらも、ルパンの居所をはかない。
仲間思いの次元が見れて、本当に嬉しかった!
ベネチアで、銭形の網に捕まりながら、ピースして写真に写るル次は可愛いすぎる。
このお調子者ぶりがルパンと次元のコンビのよさ。ハードボイルドはたまにでいいのですよ。

・五右ェ門
ゴエ大活躍。女二人(アニタとミーシャ)ともからみながら、惚れずだまされず、剣士らしかった。
アニタみたいな「かわいこちゃん」(ルパン言)に助けられて、悩みを相談されて、自分の剣の道を訥々と語るゴエは、
セカンドの「女よりも剣の道に生きるゴエ」でした。

ルパンなら、軽口をたたきながら励まして、ついでに口説くんだろう。女の子は笑ってor少しエッチなルパンに怒って、気が軽くなるという流れ。
次元なら、かっこいい言葉をさらっと一言二言言って、女の子ははっとして、勝手に口説かれてしまってる流れ。
ゴエは、軽口もたたけないし、気の利いたことは言えない。真剣に自分の生き方を語るだけ。
女の子を口説こうなんて思わない、自分のことでいっぱいいっぱいだから。
でも、そんなゴエの誠実さ不器用さに心打たれる女性もいるわけで…。
つまり、ル次五のキャラの魅力の違い、というのはそこらへんにあると思うのですよ。
今回のアニタとは、恋愛関係なく、「自分の道を模索しつつも、懸命に歩む者同士」という描かれ方をしていて好感がもてました。

ルパンにだまされてコーヒーメーカーを返しにいったりギャグも良い。
ゴエは、女にだまされるのではなく、ルパンにだまされちゃうくらいがいいのです。(そんで、後で「斬る!」って言う)

・不二子 
不二子イズム炸裂でいい感じでした。ルパンを利用してトリックダイヤを手に入れようとしたり、ラッツと他の取引相手を四つ股かけたり。
最終決戦ではアクションでも魅せてくれます。機転を利かせて、ルパンのピンチを救ったり。これぞ不二子!

・銭形 
ギャグキャラだったけど、お茶目な演出で愛すべき警部。渋い銭さんが好きな人には物足りないかも。
冒頭で、システムが盗まれていることにいち早く気づくシーンは、敏腕警部らしい。
「とっつぁん」=「昭和ヒトケタ」=「最先端の技術についていけない」という描かれ方をするのはあまり好きではありません。
仮にもICPOの警部なんだから、コンピューター犯罪にも通じていてほしい。

・三人の仲間度 
セカンドシリーズでみられたル次五のデコボコトリオが帰ってきた!女装して返しに行く3人はまさにセカンドのノリ。
DVDの特典映像で、3人の女装の設定資料が見られるのですが、
ルパンと次元は楽しそうにニヤって笑っていて、五右ェ門は顔を赤くしてぶすっとしているんです。

ルパンがもう少し二人の心配をしてくれたら、私としては嬉しかったんですが。
次元と五右衛門はそれぞれ他の二人を心配してましたね。
「どこ、ほっつき歩いてんだ~。あいつは~?連絡取れねえよ」っていうタイプに描かれがちだったので、ルパンに自主的に連絡を取ろうとするゴエ(しかも携帯メール使用)って新鮮でした。
過去の因縁の相手でもポッと出のヒロインでもなく仲間を心配するやつらであって欲しいです。
しかし、ねちっこくキザに心配するのではなく、あくまでさらりと演出してあるのがいいです。

・総合 
一番好きなスペシャル版です。セカンドシリーズのエッセンスをぎゅっと濃縮して現代によみがえった感じが好き。
「ルパン」はシリアスものよりエンターテイメント性の高いものが好きです。

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