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SPECIAL 9

  ワルサーP38

更新日:2008年3月2日


・ストーリー 
「自由」がテーマの重厚な作風。
ラストもルパンチックな大勝ハッピーエンドではなく、一緒に脱出作戦を立てた仲間やヒロイン・エリーの死、ル パンと不二子の解毒はできなかったというバッドエンドとも言える余韻を残す終わり方が新鮮です。
ラストの不二子「結局、何も盗めなかったわね」次元「いや…」というやりとりも、視聴者に次元の答えを想像させる演出。
冒頭の「銭形がルパンを騙る何者かに殺される。真犯人は?」というモチーフは、セカンド「父っつぁんのいない日」でも使用されました。

・作画
なぜかルパンがイケメンの角刈りにいちゃんに…。重厚でシリアスな作風には合っていました。

・アクション 
無難に楽しめました。

・世界観
シリアスで重厚な世界観は、従来のルパン作品の中では異質なものですが、脚本と演出のよさで、しっかりとルパンワールドに合っていました。
ルパンが過去にけりをつける、という設定のため、いつもより余裕のないルパンですが、こんなルパンも悪くないです。

・OP&ED 
「ダバダバ~」で有名なOP。思い切ったアレンジですが、作風にあっていてかっこよかったです。
冒頭のカーチェイスは、ルパン一人だったのが残念。
OPでルパン一人、というのは本作のテーマに沿っているので、当然なのですが。
だけど、あのカーチェイスで、何人の罪のない市民が死んだんだろう、とセカンド最終話でとっつぁんに変装したルパンがマキちゃんに言ったようなことを言ってみる。

・ゲスト 
ヒロイン・エリーは、自由を求めつつも、手に入れることが出来なかった悲劇のヒロイン。
一瞬、自由を味わったかのように思わせられたのは残酷だったのか、それとも、つかの間でも自由を味わえて幸せだったのか。
本人は幸せだったといっていたけれど、みなさんはどう思われますか?
ただ悲劇に殉じるのではなく、解毒剤を諦めても、最期にルパンと二人で銃を撃つ、強い意志のある女性でした。
お嬢様キャラよりは、逆境の中でも、自分の足でたっているエレンやマリア(ヘミングウェイ)のような大人の女性の方が好感が持てるし、
ルパンにふさわしいような気がします。
ボスのドクターも、不敵なキャラで存在感がありました。しかし、一方で、ルパンがこんな男に負けそうになるのかなあとも思ったり。

・ルパン 
ルパンが、焦ったり悩んだり、いい意味で等身大のヒーローでしたね。大胆不敵なルパン三世がお好みの方には物足りないのかな。
クリカンさんの演技がすごくお上手で、よく合っていました。
ルパンが物語のまさに「主役」でした。
しかし、ここでも「テレスペのメインキャラは、危機的状況にもかかわらず、長い付き合いの仲間ではなく、ポッと出のゲストと行動を共にし、
分かり合う」という演出に。

・次元 
あまり出番はなかったものの、次元らしさはありました。
脱出作戦の最中に、仲間が死んでいくのをつらそうに見届けたり、次元の人間味を感じられる話でした。
ゴエに日本食の差し入れをしているシーンがかわいい。

・五右ェ門
次元同様、あまり出番はなかったけど、ゴエらしさはありました。
日本食に嬉し涙。ラストで、斬るべき爆弾の配線を選んだ理由が「梅干の色」。
不二子のボディーガードをしているところもよい。

・不二子
ルパンのために、不二子が先に敵地に潜入している!
変なクモタトゥーまで入れられて、ルパンのために尽くしてるなあ。(怒ってたけど)
ヒロインとしては、エレンに食われてしまっていたけど、ルパンの「仲間」としてはがんばってくれていました。

・銭形
ギャグっぽいシーン(骨折のコンボ)もあったけど、若い警官相手に自身の警官哲学をぶるなど、いい扱いをされていて良かった。
入院中の病院に、ルパンがヘリで、病室を壊しながら乱入してくる、というのはパースリ「ライバルに黄金を」を彷彿とさせます。

・ル次五の仲間度
ルパンのワルサーP38が銭形暗殺に使用された…
このために、何も分からない敵地に乗り込む次五不は、ルパンの仲間として描かれていてよいです。
次五は、ガスがなくても平気なんだから、見捨てて島を出て行けたのに、一緒に脱出作戦にかかわるし。
ゲストヒロイン・エレンがルパンと共闘していたため、あまり仲間度は伝わってこないのが残念。

・総合 
そういえば、本作は「ルパンの盗み」は作品のメインテーマに関わっていませんよね?
テレスペの中でも好評な作品です。期待を裏切らないです。
ハードボイルドルパンが好きな方はぜひ。
軽妙洒脱な作品が好きな方でも、作品がしっかりしているので楽しめると思います。

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