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MOVIE 6

  DEAD OR ALIVE

更新日:2008年5月5日


【ストーリー】
ルパン、次元、五右ェ門、不二子、銭形のメイン5人の扱いが上手いのは、さすが原作者監督作品と言えるでしょう。
5人のキャラ立ちや関係性が理想的に描かれていました。大満足です!
「変装の名人・ルパン三世」という設定を上手く用いて、劇中人物だけでなく、視聴者さえも騙すストーリー展開は、「ルパン三世
」らしくて最高です。
パニシュ(ルパンの変装)の電波ジャックによるアジテーションを見て奮起した市民がクーデターを起し
(最初の爆撃は、パニシュに変装したルパンなんでしょうが)、
パニシュがルパンの変装であることに気づいたオーリが、将軍とクライシスを漂流島に誘導し、最後はクーデターが成功する、という物語の流れがいいですね。
ルパンは、意気高々と「俺があの国をよくしてやるぜ」とは主張してはいないのですが、
結果として、ズフに真の自由をもたらすことになったんだなあと、本作鑑賞後にしみじみと思いました。
脱走劇、お姫様の誘拐、銭形のルパン逮捕、不二子の敵地でのスパイ活動、ルパンとゲストヒロインとの淡い交流など、
長編「ルパン」のお約束ネタをふんだんに盛り込みな
がらも、上手く物語の中に組み込んでいたと思います。

【作画】
モンキー・パンチ氏監督作品、ということで、原作寄りの作画です。
同じく「原作寄り作画」といわれるパースリ初期よりも、劇画タッチに描かれています。
ハードでシリアスな作品には合っていると思います。

【アクション】
アクションシーンが随所に盛り込まれています。
エメラ(オーリの変装)誘拐後の襲撃で、爆弾の中をジャンプし、崖から転落して逃走するル次五の三人がかっこいい。

【世界観】
ハードでシリアスな世界観。
貧しくはあるものの、生活感とたくましさにあふれたズフ共和国の街と市民の描写が印象的です。

【OP&ED】
勢いのあるOP。
カーチェイス中、銃弾でルパンの変装がとけて素顔があらわれる演出がかっこいいです。

【ゲスト】
オーリエンダー…ゲストヒロイン。長編作品にはどうしてもゲストヒロインを出さなくては駄目なんでしょうね。
オーリの街を探索するシーンは冗長だったので、ココは要らなかったかなあと思います。
その分の尺を、メイン5人の活躍シーンにあてて欲しかった。
最後、「いい夢を見た」とネックレスを海に捨て、パニシュとの思い出にケリをつけたシーンは、せつなくもすがすがしい。
幸せになってほしいヒロインです。オーリにとっては、ある意味バッド・エンドですからね。

首狩り将軍…ラストシーンでの描写は、彼 もナノマシーンだったということなのでしょうか。
それとも、制御装置に入力した情報がMOに残っていて、それが出力されただけだったのでしょうか。
ちょっとわからないんですが、その辺の解釈は視聴者に任せるということなのでしょう。

【ルパン】
「変装の名人である」という設定を上手く生かされていました。
ゲストヒロイン・オーリは大人の女性で、ロリコンではなかったのも嬉しい。
コミカルさはほとんどないですが、ただかっこつけているだけでなく、大泥棒としての活躍を見せてくれました。
管理人としては、もう少しはっちゃけたルパンが見たかったですが、こんなルパンもいいです。

【次元】
原作風作画、ということで、原作のあの逆三角顔の次元です。
長編作品に多い「渋い次元」というよりは、原作・パースリの「お茶目でフランクな次元」に近かったと思います。
目だった活躍はないですが、ルパンのよき相棒でした。
ルパンにコーヒーの駄目出しをされていましたが、すき焼きにビールを入れる趣味といい、
次元の味付けはルパンの好みと合わないのでしょうか。
それとも次元が相当変わった趣味なのか。まー、すき焼きにビールって時点で変わっていると思うのですが。
でも、次元は自炊シーンも多いしなあ…。

【五右ェ門】
長編作品では、最初はルパンと次元と別行動をとることが多いですが、本作では最初から三人で行動していました。
それでけでも嬉しい。ルパンと次元と一緒にいることが当たり前のゴエがいいです。
次元と二人で、よきルパンの相棒でした。
女に騙されていません!頬も染めません!

【不二子】
一人で将軍の元に潜入したり、エメラを逃がしたり、データをとったりと大活躍。
まさに「女ルパン」。ルパン達を利用するだけではなく、ちゃんと自分で行動して結果も出せる女性です。
人質にもならず、必要な情報を入手して、さっさとお宝を狙います。
ところで、敵地に「世話係」の名目で潜入する、というのは「カリオストロ」以降の定番役になっているのでしょうか。
「ノストラダムス」でもそうでしたしね。

【銭形】
原作よりで、渋く有能な銭さん。
「とっつぁん」だと、空港のタラップで転落するのでしょうが(「ファースト・コンタクト」など)、
本作ではそんなドジカタなギャグシーンはありません。
ルパン逮捕後は、自叙伝を出す予定だそうです。
タイトルは「銭形警部、ルパンとの愛と戦いの日々」。
ご本人いわく、「「愛」という言葉がないと、「戦い」だけでは硬くて女に受けないから仕方ない」そうです。

【ル次五の仲間度】
三人で行動することが当たり前。
冒頭、定員オーバーでオートジャイロに乗っているル次五三人が可愛い。
わざわざ大上段に「仲間の絆」を謳わなくても、ちゃんとお互いを信頼していることが伝わってくる作品でした。
ラスト、次「俺は西」、五「拙者は東に」、不「じゃあ私は南に」と、ルパンを残してアジトを出て行っても、
将軍が現れたルパンのピンチには、次五不が即座に反応する、という演出がよかったです。

【総合】
「ルパン」の要素をふんだんに盛り込んで、モンキー・パンチ風にアレンジした一作。
メイン5人のキャラ立ちと関係性の描写の上手さはさすがの一言。
安心して楽しめる作品です。

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