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STORY Final

  不滅のお宝を奪取せよ!

更新日:2008年3月2日


一説によれば、「アニメ版のルパン最終回は呪われている」とのことですが、Yルの最終回は傑作です。

緊張感のある冒頭のシーン、ルパンのために命を投げ出す次元と五右ェ門。
その二人の名を叫びながら、敵地から脱出する不二子。
場面が変わって、物語は核心へと静かに展開します。
タイムパラドックスをたくみ使った物語構成。
ラストで、生きている次元と五右ェ門を見て、涙を浮かべるルパン。
全てを理解しているのは、ルパンただ一人、というところもまさしく『ルパン三世』の作品らしい。

私は、「ルパン三世=セカンドシリーズ」なファンなのですが、
セカンドシリーズは、「ルパン三世と次元大介、石川五右衛門の三人の友情の物語」として解釈しています。
「友情の物語」としてのルパン・次元・五右ェ門の3人の絆を描いた作品の最終回として、
これほどふさわしい作品はないのでは?

次元と五右ェ門は、ルパンのために命を張って共闘する(過去の因縁の相手や惚れた女がらみではなく(ポッと出のゲストキャラのためではなく)。
次元と五右ェ門の二人の絆は、全作品シリーズを通じても、意外と多くは描かれていません。
(二人で仕事をしているシーン、楽しそうにしているシーンはたくさんあるのですが、シリアスな展開ではあまり多くはないのです)
本作では、次元は、五右ェ門を逃がそうとし、五右ェ門は次元とともに死のうとします。

次元「こんなところでくたばる馬鹿は、一人で十分だろうが」
五右ェ門(折れた斬鉄剣を構えながら)「死ぬにはいい日だと思ってな…」

ルパンと次元に対して、少し距離をおいた関係をつくっている五右ェ門ですが、二人のために死のうとするという、彼の仲間への思いがよく伝わるシーンになっています。

そんな二人に、ルパンを託されて一人逃げる不二子が、二人の名を呼びながら涙します。
不二子が、次元と五右ェ門を思って涙を流すなんて!このシーンだけでも衝撃です。
この関係、すごく素敵です。

ルパンは、自分のために死んでしまった次元と五右ェ門を生き返らせるために、二人がまだ生きている時間にタイムスリップします。
そして、無事、「自分自身のパーツ」を盗み出し、逃げる途中でタイムアップ。元の時間軸にもどってきます。
そのとき、次元と五右ェ門のいつもと変わらない姿を見て、嬉しそうな顔に涙を浮かべるのです。
ルパンが、(ポッと出の)ゲストヒロインのためでなく、そして不二子のためでさえなく、次元と五右ェ門のために、盗み、戦うのです。
この三人の関係って最高で最強だなと心から思います。

ルパンにとって不滅のお宝とは「俺たちの未来」。
三人で盗みをし、不二子がそれを邪魔するか利用するか、協力するかして、そんな四人を銭形警部が追いかける、
今までと変わらない、そんな未来が不滅のお宝なのです。
そして、そんな未来は、私たち「ルパンファン」にとっても不滅のお宝なのではないでしょうか?

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