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STORY 107

  結婚指輪は呪いの罠

更新日:2008年6月28日


ルパンと不二子の結婚ネタ。呪いをテーマにしつつも、コ ミカルな作品。
本作の見どころは、ルパン・次元・五右ェ門の三段重ねおんぶ。

【ホープのダイヤ】
スミソニアン博物館に展示されている実在のブルー・ダイヤ。
こちらのサイトで、ホープのダイヤの現物写真を見ることができます。
本作では粗末に扱われていましたが、実在のホープのダイヤは人気の展示物だそうです。
次元が語ったホープのダイヤに関する言い伝えは、全て本当にあった話。
所有者にはルイ16世、その王妃マリー・アントワネットがいました。
最後にホープのダイヤに関わった宝石商は、ハリー・ウィンストン。
ちなみに、「ホープ」とは「希望」という意味ではなく、
歴代の所有者の一人だった実業家のヘンリー・フィリップ・ホープから取ったもの。
他の所有者同様に、ホープ氏もその一族も不幸に見舞われて、転落の人生をたどったとのことです。

ところで、サー・アーサー・コナン・ドイルの「シャーロック・ホ ームズ」に「青い紅玉(原題はBlue Carbuncle)」という有名な作品があります。
青い紅玉=ガーネットは、ドイル執筆当時発見されておらず、
「青い紅玉」とは何を意味しているのかについて、読者の間で長年にわたって議論されています。
その回答として、「青い紅」という矛盾する言葉遊びである、という説が多数派となっているようです。
ひょっとして、ドイルはこの「ホープのダイヤ」の伝説から、「ブルー・ダイヤ→ブルー・カーバンクル」を思いついたのかもしれません。
「青い紅玉」と「ホープのダイヤ」はともに、持ち主を不幸にする希少な青い宝石です。

【誓いのキスと結婚指輪】
ルパンと不二子の結婚式。神父さんは、なんと銭形警部。
ルパンが不二子に差し出す結婚指輪は、ホープのダイヤ。
「腕によりをかけて盗み出した」というルパンの発言を聞いて、咳払いをしてたしなめるとっつぁん。
誓いの口付けをしようとしたところで、ベッドから落ちてしまい、不二子が目を覚まします。
不二子「ルパンとの結婚は夢に決まっているけれど、指輪だけは夢であって欲しくなかったわ」
…ルパンには聞かせられないセリフです…。
不二子のパジャマはスケスケピンクのベビードール、ピンクのカーラーを付けていました。コケティッシュで可愛らしいスタイルです。

【何回目のプロポーズ?】
ドライブデート中のルパンと不二子。不二子が、ルパンと結婚したいと言い出した様子。
喜ぶルパンに「教会も結婚指輪も決めている」という不二子。このあたりから微妙な感じではありますが…。
不二子の思うとおりの結婚式をしてやろうという太っ腹なルパンは、そんなことは気にも留めていないようです。
そして、着いた先はスミソニアン博物館。
案内員が先導する一般観覧者グループの後ろを、テクテクとついていくルパンと不二子が可愛いです。
ホープの指輪が展示されているガラスケースは埃がつもっていて、警備システムも設置されていない様子です。
盗み出してくださいと言わんばかりのザル警備ですが、これは「呪いの指輪」を盗む馬鹿はいないためでしょう。
ルパンも警備の薄さに不審気ですが、不二子のお願いとあれば聞かなくてはなりません。

【ルパンは「呪い」を信じるか?】
二人の結婚に反対する次元と五右ェ門。ホープのダイヤにまつわる呪いについて話します。
ルパン「そうと聞くとますます盗みたくなってきた」さすが、不可能に挑戦する男。
ゴエ「相手は防犯装置や銭形とは違う。700年指輪に取り付いてきた悪霊なのだ」
オカルト関係に明るい五右ェ門は、ルパンを説得します。
ルパン「悪霊だかなんだか知らないけっども、俺と不二子の結婚を邪魔させない」
合理主義者で、オカルト的なものを信じないルパンが、そんなゴエのアドヴァイスを聞くわけがありません。

【楽天的な人間は強い】
夜になって、一人でスミソニアン博物館に侵入したルパン。
悪魔がそんなルパンを見て笑います。…「ルパン」の世界には悪魔も幽霊もいるのです!
しかし、このホープの悪魔、三頭身で歯医者さんのポスターに出てくる虫歯菌みたい。
おどろおどろしい悪魔というよりも、いたずらっ子のような悪魔です。
早速、ルパンが使っているロープを鋏で切ってしまいました。
叩き落ちてしまったルパン。「買ったばかりのロープだぜ。こんなことが…、ままあることね」
あれだけ、次元やゴエに呪いの話を聞かされていても、怯えることなくポジティブシンキング。
突風が吹きつけても「最新式の防犯装置だな」合理的な考え方はルパンらしい。
斧でガラスケースを割ろうとしますが、斧の刃が欠けてしまう有様。
さすがに呪いを信じる気になったのか、悪魔退散でロザリオを出します。が、悪魔がキスすると溶けちゃいました。
ルパン「俺は俺の実力で勝負だ」そう、神頼みよりも自分の頭脳を駆使する方がよっぽどルパンらしい。
でも、なぜ一休さんのポーズをとるんだろう…?
そこで、悪魔がガラスケースの蓋を開けました。しかしそれは罠。ルパンが中からダイヤを取ろうとしても中々とれない。
そうこうするうちに、蓋が落ちてルパンの手が取れてしまいました。しかし、実は手の形をした爆弾。
爆破させて、ついに指輪を入手します。ルパン「この知恵比べ、俺の勝ち」。
ルパンが一休さんのポーズを取ったのは、何かを考えるためではなく、悪魔が墓穴を掘るのを待っていたのかもしれません。
やはり、悪魔が神の頭脳の持ち主に勝つことは難しいのかもしれないですね。
悪魔も負けてはいません。逃走用のアルファロメオが爆発。ルパンは相変わらず合理思考「定期点検やってなかったからな」と馬車で帰ります。
嵐が起こっても、「天変地異で驚いてちゃ、泥棒は勤まらない」
しかし、ついに馬車が崖から落ちてしまいます…。
一夜明けて、次五が探しに来ると、ロープで引っかかっていたルパンを発見。
次元「ルパンの執念がホープのダイヤの呪いを打ち破ったってわけか」
「呪い」という非科学的なモノに怯えることなかったことも、大きな要因でしょう。
おそらく「呪い」とは、「呪いに対する恐怖心」から生まれるネガティブの連鎖でしょうから。

【死が二人を分かつまで】
今度は現実の結婚式。神父はとっつぁんではありません(当たり前だ)。
誓いのキスをしようとすると、不二子がおばあちゃんに!ショックで泣いているルパンは、逃げ出しちゃいました…。
ルパンを追いかける次元とゴエ。老婆になった不二子より、逃げたルパンの方が心配なんですね。
不二子「ひどいわね。花嫁さんを置き去りにするなんて」「この世には悪霊よりも怖いものだっているのよ」
それは女性のことですか、それとも不二子さんのことだけなんですか。

【トリプルおんぶ】
不二子の罠とも気づかず、呪いのせいだと考えるル次五の3人。そこに銭形警部が登場します。
銭形警部の銃弾が、次元を虎刈りに。「狙いもいつもより確かだぞ」と次元。
「呪い」に対する恐怖感で、気が弱くなっているからそう感じたんじゃないでしょうか…。それとも本当に呪いの効果なのか。
そんな次元をルパンがおんぶして走ります。今度は、ルパンの股間を狙われます。アチアチと痛がるルパン。
今度は五右ェ門がルパンをおんぶして走ります。ルパンは次元をおんぶしたままの三段重ね。ゴエ、力持ちなんだなあ。
ゴエ「これもダイヤのたたりじゃ」気弱になっています。「マダムX」の時のように、ゴエには持ち前の霊力で呪いを振り払ってほしいです。
五・ル・次のトリプルおんぶで逃走劇。本当にこのシーンは可愛すぎます。フィギュアにしてほしいシーン。
このコミカルな可愛らしさは、青木悠三氏・絵コンテ作品ならでは。
射撃する銭形警部の瞳に映る3人など、粋でありながら笑いどころもあるアングルが多い点も本作の特徴です。

【不二子を呼ぶ悪魔の笑い声】
ご満悦の不二子の側には悪魔が。
ひったくりやカラスにダイヤを盗られてしまうものの、呪いのおかげか、なんとか回収に成功。
不二子「泥棒の女神は、まだ私を見捨てなかったのよ」…しかし、悪魔にも魅入られていたのです。
化粧室で鏡を見ると、そこにはおばあさんになった不二子が映っていました。
本体は無事。若い美女のままです。鏡像だけ老婆にしたのは、悪魔の仕業。
ショックを受けた不二子は、指輪を窓から投げ捨ててしまいます。
一台の車が落ちている指輪にタイヤをとられて玉突き事故…。何人死んだかな?(byルパン(銭形変装)@「さらば愛しきルパンよ」)
その事故車の中にはル次五の乗った車もありました。散々の3人組。
しかし、捨てたはずの指輪がまた洗面台に。不二子は指輪を置いたまま、怯えて化粧室から飛び出します。
そんな不二子を悪魔が笑っています…。

【ダイヤは諦めても、不二子は諦めない】
一夜明けてお目覚め不二子「ダイヤを諦めたのは正解だったわ」とすがすがしい。
しかし、部屋中ダイヤだらけ。天井からも、ドアをあけてもダイヤの山が流れ込んできます。
ダイヤ恐怖症になってしまったのか、「ルパーン」と助けを呼ぶ不二子
そんな不二子の様子をヘリから伺っていた3人、これは不二子を懲らしめるためのお仕置きでした。
「俺の名前を呼んでる。よーし今助けにいくからな」とヘリから飛び降りるルパン
お仕置きをした相手を助けに行くって間違っているような気もしますが、これこそルパンの不二子への愛でしょう。
「ありゃ駄目だ。不二子に惚れたのが運のつきだ」と呆れる次元と五右ェ門でした。

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