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STORY 32

  ルパンは二度死ぬ

更新日:2008年5月6日


本作の見どころは、ルパンが死んだと思い、大 泣きしながら器物破損をする次元&五右ェ門。
そして、号泣して大暴れする銭形警部。
そんな男性陣とは対照的に、冷静に状況に応じた対処をする不二子。
「ルパンの死」に直面した時、四者四様の反応をお楽しみください。

【冒頭・カーチェイス】
舞台はマイアミビーチinアメリカ。
パトカーに追われて、ルパン「次元、お前何か悪いことしたな」
次元「いや。俺は何もしていないぜ」
泥棒稼業は悪いことじゃないんですか?元・殺し屋さん。

銭形「ルパンみたいにトリックを使うやつは正攻法が一番いいんだ」
次元「正攻法過ぎたようだな、とっつぁんよ」
座席を飛ばして逃げるルパンと次元。トリッキーすぎる逃走方法です。でもそれがルパンチック。
ヘリで回収されるとき、ルパンと次元が頭をぶつけるシーンがお茶目な演出。

【殺し屋・ピューマ】
2ndルパンの愛車であるアルファロメオ・グランスボルトに搭載されている犯罪ファイルで検索します。
殺し屋・ピューマ。あらゆる殺人手段に長けている。1960年代から活躍…時代を感じるなあ。
顔や身体的特徴も不明。これは、自分の秘密を守るために依頼者さえも殺してしまうからだ、ということが後にわかります。
不二子いわく「捕まった方が安全」な危険人物。

【ピューマの来襲】
夜、船上から、アジトにいるルパンを狙撃するピューマ。
そこをを狙う次元と、ピューマの船に行く五右ェ門。ルパンのために二人もがんばります。
ピューマも手際よく、自分の船をプラスチック爆弾で爆破し、証拠を隠滅します。

【お外でお食事】
お外でお食事中の次元と五右ェ門。非常事態にも関わらずのどかな風景。
「今日は外で食べようぜ」とか言って、テーブルや食器を外に運んだのかと思うと微笑ましくてたまりません。
おそらく、ピューマをあぶりだす陽動作戦だったのでしょうが…。
狙われているルパンは外に出られず、「ワインくれ」。すかさず銃弾がルパンを襲います。
次元のマンガ肉が狙撃でそがれちゃいました。

【ふざけた墓碑銘とその伏線】
神妙な様子で、葬儀屋に電話をし、葬式の準備をするルパン。
棺桶は樫の木製。
墓碑銘は『ルパン三世ここに眠る。峰不二子への愛とともに。』
「なーんちゃって」とはしゃぐルパン。
まさか、「なーんちゃって」まで墓碑銘にされるとは思わなかったのでしょう。
シリアスな作品ではありますが、コミカルな要素が盛り込まれており、セカンドシリーズらしい肩の力が抜けた演出になっています。
そして、この墓碑銘はただのギャグネタというわけではなく、最後の最後で粋な伏線になるのです。

【ルパンの死?】
押し込められているのはまっぴらと一騎打ちを賭けるルパン。実は、これも作戦のうち。
引き止める次元と五右ェ門。五右ェ門「俺が今夜、夜討ちをかける」
そんな二人に、ルパンは「狙われているのは俺だけなんだぞ」と、助けを拒みます。
ルパンは、次元やゴエが困った時は助けようとするのに(「五右ェ門の復讐」「復讐はルパンにまかせろ」などなど)、自分の時は手出しをさせません。
これは、次元や五右ェ門もそうですよね。
ハエ?のような虫に模した盗聴器を斬る五右ェ門。
ルパンが葬式の準備をしていたことをピューマに盗聴されていました。
情けない、ルパンらしくない、と次元。
そんな二人をおいて、ルパンはピューマとの戦いに向かいます。
ルパンが葬儀屋に話していた墓碑銘まで引用し、葬式の準備をしていたルパンを嘲笑するピューマ。
後に、わが身へと返ってくるとは知らず…。
対決の末、ピューマに撃たれ、崖から海に転落するルパン。
作品的最大のクライマックスです。

【号泣して器物破損をする次元&五右ェ門】
この一連のシーンは管理人イチオシです。
「ルパーン、ルパーン」と海上を必死で探す次元と五右ェ門。
医者にルパンの死を告げられ、「嘘つくな。ルパンが死ぬものか」という次元。
このセリフ、次元のルパン観がよく現れていますね。相棒である次元にとって、ルパンはまさに不死の男なのでしょう。
棺桶が到着し、感情を抑えきれず外に走り出す次五。「ルパンの死」を現実のものとして受け入れざるを得ないことを気づいた様子。
「ピューマ出て来い」と大泣きながら器物破損をする二人。
マグナムを連射してで照明塔を割り、斬鉄剣で街路樹を斬ります。
そんな二人を遠巻きにする一般市民の皆さん。警察に通報され、パトカーがやってきました。
ルパン大好きっ子で、ルパンのために我を忘れる二人が大好きです。
テレスペで、次元やゴエがこんなに取り乱して泣くなんてもう観れませんよね…。

【銭形警部の大暴走】
このシーンも管理人イチオシ。納谷さんの演技と、とっつぁんのルパンへの友情に圧倒されます。
署長「遺体を見ますか」
銭形「私に対する重大な冒涜ですぞ。蝋人形に決まってます」
ルパンの遺体を見て「御用だ御用。死んだふりをするな」なんか可愛いとっつぁん。
泣きながら「お前は最愛の友だった。生きがいだった。わしはどうしたらいいんだ」
…警部として、他の事件を担当してください。
射撃をしながら暴れる銭形。署長に手錠まではめてしまいます。
署長「みんな、クレイジーだ」
まったくです。
銭形警部の投獄先には、先客である次元と五右ェ門が。
銭形警部は二人に食って掛かります。「貴様達はそれでもルパンの相棒といえるのか、二人して何してたんだ。」
ルパンの葬儀は、次五が逮捕されているため、不二子と銭形しか関係者が参列していません。泣きまくる銭形。ハリをなくして腑抜け状態です。

【冷静で頼りになる不二子】
不二子「わかってるわ、ルパン。安心なさいね」
唯一、状況をきちんと把握したのは不二子のみでした。
「ルパンの死と葬儀」といえば、テレスペ「1$マネーウォーズ」でも登場しました。
「1$」では、次元と五右ェ門は失意にありながらも、慌てふためく銭形や不二子に対して冷静な反応していました。
一方、セカンドでは、不二子が冷静に状況処理をし、次元や五右ェ門が「役立たず」(byルパン)な演出。
この演出の違いに、セカンドシリーズとテレスペにおける次五コンビと不二子の解釈の相違点が現れています。
2nd、特に前半では、不二子はしっかりしています。まさに「女ルパン」の名に恥じません。
次五はルパンが大好きすぎて、ちょっと冷静さにかけることも多いです。
このパターンは他にもありました。「二つの顔のルパン」「オイルダラーを狙え」などが挙げられます。

【不死の男・ルパン三世】
アメリカが舞台なのに、日本語の墓碑銘ってどうなんでしょう。
「ルパン三世ここに眠る。峰不二子への愛と共に。なーんちゃって」
不二子はこの墓碑銘が気に入らなかった様子。まあそうりゃそうでしょうね。「なーんちゃって」なんて言われてもねえ。
ルパン「はー、よく眠った」このお気楽なセリフがいいですね。
仮死状態のまま埋葬されるなんて、すごい度胸です。よっぽど葬儀屋を信頼していたのでしょうか。
しかし、司法解剖されたらどうするつもりだったんでしょう?
ちなみに、テレスペ「アルカトラズ」でも、同じことを思いました。
「アルカトラズ」は、銭形警部が上手く言い含めてくれたのかもしれませんけどね。

署長に変装し、「役立たずな相棒どもめ、釈放だ」
この言い方もルパンらしい。
本気で役立たずだと思っているわけではなく、二人がそう思っていることをあえて言ってやることで、二人をいじめて楽しんでいる感じ。
ル「敵をだますにはまず味方から」
五「許せん、斬る」
五右ェ門らしいセリフが戻ってきました。

【「ゆっくりおやすみ、ピューマ。ルパンの愛とともに」】
ルパンがピューマに言った最後のセリフ。
このセリフは墓碑銘で伏線が張られていました。
最初のバトルの時、この墓碑銘を揶揄したピューマへの皮肉でもあります。
あの時、ピューマはルパンを暗殺することに自信満々でしたが、最後の最後はルパンが勝つんだよという、
ルパンの底知れない凄みが、墓碑銘にまつわるお茶らけたエピソードとのギャップでより際立ちます。
セカンド・ルパンは普段は陽気でお茶目な泥棒ですが、その陽気さに毒が忍ばせてあることがふと分かる…このバランスがすばらしい。
大和屋竺氏脚本ということもあり、「ルパン三世」という人物をよく表現した物語になっています。
一人で船で脱出するルパン。ということは、最後は一人でケリをつけに行ったのですね。

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