[SPECIAL]
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バイバイ・リバティー・危機一発!
更新日:2008年3月2日
放映日:89年4月1日
監督:出崎統
脚本:柏原寛司
キャラデザ:古瀬登
・ストーリー
自由の女神を盗むというアイデアはおもしろい。でも、あんまり印象に残っていない話です。
コンピュータVSルパンというモチーフは、ファースト、セカンドでも使われた伝統ネタですね。
コンピュータの性能の描写は、その時代における「コンピュータに対する期待感・幻想」を反映していて興味深いです。
(プリミティブな期待感だったりするんですが、そこも、ご愛嬌)
しかし、「当時としては先進的」だったコンピュータ・ウィルスをテーマにした作品としてはイマイチな印象。
コンピュータ・ウィルスをテーマにした作品では、同1989年夏に劇場公開された「機動警察パトレイバー The Movie」(押井守監督、伊藤和典脚本)の方が、は
るかによく出来ていたと思います。
・作画
マモーリスペクトなキャラデザ(馬面ルパン)は苦手です。渋くてイイって人が多いのかなあ。
私は愛嬌のある顔立ちが好きです。ルパンはやっぱりモンキー顔が可愛いと思います。
・アクション
あったっけ?
・世界観
コンピューターありきの情報化世界っていうのは、過去のTVシリーズや劇場版には見られず、おもしろいのですが、
ルパンが自分の情報を取られたからって、仕事にやる気をなくす理由が分からない。
・OP&ED
印象なし。傑作89が生まれた作品である。
89のゴージャスなアレンジは、まさに「スペシャル」気分。
・ゲスト
ゲストヒロイン・イザベルは、不二子とキャラがかぶってる気が…。
大人の女性で美貌と才気で、周りの男を虜にして、富を手に入れるところとかが似てませんか?
スリーメイソンの100歳以上生きているおっさんも、たらしこんでしまうあたり、なーんか『マモー』の不二子にダブって見えてしまう。
イザベルポジを不二子でやってもよかったんじゃ?
・ルパン
自分の情報を取られたからって、泥棒やめるルパンは一体どうしたんだ?
セカンドやパースリで不可能に挑戦しつづけたルパンはどこにいったの?
『マモー』でアイデンティティのために闘ったルパンはどこへ?
『カリオストロ』で命の恩人である少女を助けるために国家に喧嘩を売ったルパンは?
年をとったっていう問題ではないですよ、この劣化ぶりは。
・次元
存在感薄かったなあ。おぼえてないや。
ルパンにも、ゴエにも相手にされなくて可愛そうなシーンしか印象にない…。
・五右ェ門
駄目すぎる。女に惚れっぽくだまされるキャラを定着させたのはこの作品なのか。ルパン同様のひどいキャラ崩壊。
女への恋慕の情よりも剣の道・武士道を貫いた五右衛門(「花吹雪 謎の五人衆」「哀しみの斬鉄剣」)はどこへ?
・不二子
一人でお宝を盗みに入ったり、女ルパンっぽさが出てました。
その代わり男を魅了する悪女キャラはゲストのイザベルに取られ、後半の存在感は尻すぼみに…。
・銭形
存在感薄かったような気が。
・ル次五の仲間度
次元の頼みを断るルパンと五右ェ門ってだけで寂しいかぎり。
次元の昔の恋人(アンジェリカ)の頼みで命の補償もない戦地に行った二人はどこへ?(『シェイクスピアを知ってるかい』)
三人ともイザベルに惚れたっぽい演出がなされたけど、三人を虜にする女っていう設定は不二子のものだったんじゃ…?
(「ル次五三人をを虜にする魔性の女・不二子」という像は、ファーストでやってみて失敗したのでしょうね…。
「次元も不二子に惚れている」っていうキャラ紹介文や、ゴエの「某のガールフレンドの不二子ちゃん」もセカンド以降は「そんなのあったっけ」という扱いだし。
セカンド以降は、次五ともに、「不二子は仲間でありながらも、ルパンをたぶらかし、自分たちの上前をはねる性悪女」という認識をしている演出。
不二子にベタ惚れのルパン、不信感丸出しの次元、不信感を持ちつつも意外と友好的なゴエ、という風に立ち居地を分けた方がキャラ立ちするものね。)
・総合
酷評される傾向のあるテレスペの中でも、評価が高い作品ですが、私にはイマイチでした。
ルパマガの飯岡さんのインタビューに載っていたように、モンキー先生や柏原先生のネタの方がおもしろかったんじゃ?そっちが見たかったな。
モンキー先生の案だと、不二子もヒロイン全開だったし。
二人の男の間でゆれる不二子は「魔術師・パイカル」とかぶるから駄目なのかな?
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